一人暮らしを始めたときのこと。
もともと友人とルームシェアして住むはずが
ひと悶着あった挙句、階違いで住むことに。
比較的おおきな駅に程近い、しかし窓をあけると
目の前は線路、という物件。
急に決まった引越しだったし、荷物も洋服と本くらい、
ちいさいトラックにちゃちゃっと詰めて
あっという間に実家を離れた。
(あっという間すぎて家族にまともに挨拶できなかった)
実家といったって、電車とバスを乗り継いで
1時間半のとこですが。
がらんとした部屋に荷物を運び込み、
やがてベッド、冷蔵庫、洗濯機が届く。
そこでいっしょに来た母は帰る。
友人はまだ越してきていない。
すごい!ついに一人暮らしだ!
とても自由な気分で本をひろげたり
冷蔵庫の冷え具合を確かめたり
ベランダにでて電車を眺めたり。
あっという間に夜中になって寝ることにした。
ベッドに入って目を閉じる。
終電がいってしまったから、とても静かだ。
大嫌いなテレビの音も聞こえないし、
部屋の戸をぴしゃりとしめる音も
トイレとかお風呂とかの水の音も
スリッパのペタペタという音もきこえない。
とっても嬉しいはずなのに・・・?
怖い!
静かすぎる!
と、いきなり電車がすごい音で通った。
貨物列車だった。
また静寂。ひたすら静寂。
怖い。
寂しいのか?まさか!
あんなにひとりになりたかったのに?
でももう簡単に戻れないのだ!と思った。
ふー。我ながら大袈裟。
でもほんとーに空っぽな気分だった。
今はもうなれたけど、
一人暮らしの部屋って、すごい空っぽ。
というか、部屋のどこかにブラックホールがあって
自分の存在の履歴に纏わる記憶や思い出を吸い込んでいるのだ、
だからこの味気なさ!
実家は、たとえみんな留守にしてても
家族の音が染み込んでいる。
家族の音?なんのことかうまく説明できないけど
家という建物自体に
待ちの余裕があるのだ。
なんでも知ってますよ、というような。
その余裕が、かつては嫌だったー。
むう、思春期特有~。
なにはともあれ
今もこうして一人暮らししてるわけだけど
現在ブラックホールは影をひそめている。
ドーナツは欠けて
空洞は溶けました。
こうして
ブラックホールはみんなのものになりました。
おしまい。
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2 comments:
家族の音
ありますね。
小さい頃からの音がたくさん層になって重なっているような。
実家がある人、特有の感覚ですね。
その通りです。
層になった結果です。
懐かしいとか
ひとことでは片付けられない
どろどろに濃いものです。
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